環境・エネルギー分野は、新しい力が入りづらい、スケールアップするのに時間がかかるなど独特の難しさがあります。
CIC TokyoとU3イノベーションズの二人三脚でコミュニティ活動を支え、活性化することで、課題を乗り越える力を高めたいと考えています。
2022年7月時点での国内スタートアップ評価額ランキング(出典:STARTUP DB)を見ても分かる通り、これまで日本におけるスタートアップの成功例として語られるものの多くはIT、ゲーム、eコマース、SaaSといった分野でした。一方、今後大変革が必要な環境・エネルギー分野ではスタートアップの参入が活発とは言えず、IPOに至る事例は2~3年に1件です。マネタイズのしづらさや、特にエネルギー分野では研究開発費や設備投資が多額になること、間違いが許されないこと、その国の規制・制度の影響を大きく受けることなど、社会課題解決に対する強い意欲だけでは乗り越えられない、壁が多く存在する分野だといえるでしょう。Global Cleantech100に今まで日本企業は含まれておらず、日本国内での環境・エネルギー分野スタートアップへのバックアップが圧倒的に足りていません。
特に環境・エネルギー分野がマネタイズしづらいというのは、その価値を可視化することが難しいから。例えばエネルギーはあくまで手段であり、価値を実感するのは供給が途絶した時のみです。顧客体験を提供するには、さまざまな掛け算が必要です。
参入が難しく、掛け算が必要な分野だからこそ、コミュニティを立ち上げ、新たなスタートアップの創造と成長の環境を作ることが求められています。
海外のスタートアップ関係の調査では、日本は技術力が高く大企業の数も多いものの、連携(Connectivity)が弱いと言われています(出典:内閣府・世界銀行「スタートアップ・エコシステム調査」)。特に大企業とスタートアップの連携、行政とスタートアップの連携は課題として挙げられます。特に、インフラ事業として公共的な側面が強い環境・エネルギー分野のビジネスは、大企業や自治体との連携が必須となるケースが多くあります。しかしこれまで、特に環境・エネルギー分野において、大企業や自治体と、スタートアップとが連携した事例は少なく、知見・経験の蓄積が十分ではありません。
両者の「通訳」あるいは「伴走者」や、社会実装に向けた連携の数と質とを挙げていくコミュニティがいま、必要とされています。
U3イノベーションズは、環境・エネルギー分野スタートアップ特有の課題を乗り越え、Utility3.0の世界に必要とされるイノベーションを連続的かつ自然発生的に生み出すエコシステム形成を目指しています。
スタートアップ支援に特化したコミュニティ・ハブであるCIC Tokyoとの協業により、国内だけではなく、世界に羽ばたく力強いスタートアップを、このコミュニティから多数生み出していきたいと考えています。
本コミュニティでは、社会課題を特定し、その解決に向けて多様な主体が連携して取り組む「実践型イノベーションプログラム」を行っています。
Core Member(大企業や自治体等)が直面する課題の解決に向けて求める技術領域などを提示し、協業可能なスタートアップを募集。ピッチ等を経てコミュニティに参加する多様な主体が協業可能性を探索します。Core Memberが提供する事業フィールドという実践の場が確保されているため、技術・サービスの社会実装のスピードが一気に高まります。
従来のアクセラレーションプログラムに多かった、大企業とスタートアップによる1対1のマッチングと異なり、共通のテーマを基にスタートアップ・大企業・自治体・アカデミアなどの多様なプレイヤーによる、n対nの連携が生まれています。
この実践型イノベーションプログラムは、3-4カ月間で1つの課題(イシュー)をテーマアップしています。走り始めたイシューについてはサブコミュニティ活動に移行し、主としてテーマオーナーとして名乗りを上げたcore memberと協業を希望するスタートアップ等が、継続的に社会実装に向けて取り組んでいきます。
概要ページ
https://jp.cic.com/news/announce/ee_community/
参加申込フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScpWWY6iTp743RaocCReGEGpfTChNyVsF2Q55xzSrWpyGgoiA/viewform
実践型イノベーションプログラム以外にもランチ会・勉強会・懇親会などで闊達なコミュニケーションが生まれています。
2021年のコミュニティ活動の締めくくりとして開催したLEEP SUMMIT 2021にはオンライン・オフライン合計で700名以上の参加申し込みがあり、大変な盛況となりました。