なお、本プロジェクトの概要については、以下の動画でもご紹介しています。
https://youtu.be/1UwxwsWQZi4
2. 「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」の概要
LAC八ヶ岳の敷地内にインスタントハウス計5棟を建設し、オフグリッドソーラーや小型淡水化装置を実装することで、最大2世帯が生活できるオフグリッド住環境を実現しています。5棟のうち、1棟をLDK棟としてキッチンユニットやダイニングテーブルなどを設置、2棟を住居棟としてベッドやデスクなどを設置、1棟を水回り棟としてシャワー、洗濯機、洗面台、トイレなどを設置、最後の1棟はインフラ棟として蓄電池などの電源設備と水処理設備および給湯設備を設置しています。
建物に隣接してソーラーカーポートを2棟設置、発電した電気はインフラ棟の大容量蓄電池に充電するとともに、建物内の家電・設備類に供給します。
また、建物内で利用された生活排水は、インフラ棟の水処理設備で浄化され、シャワーやキッチンなどで循環利用されます。
《オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳外観》
《主要構成要素① インスタントハウス》
インスタントハウスは、名古屋工業大学大学院工学研究科 北川啓介教授とLIFULLが建築技術開発を目的として設立した「LIFULL ArchiTech」で開発されました。ドーム型の生地を空気によって大きく膨らませて、内側からウレタン材を吹き付けます。しばらくして生地とウレタン材が一体となると、建築物ができあがります。この建築手法により、これまでに一般的とされてきた建築物に比べると、生地とウレタン材のふたつのみのシンプルな構造にも関わらず、極めて高い利便性、快適性を確保しました。さらに、形も大きさも機能も自由自在に変更でき、多様なシチュエーションに対応できます。
《主要構成要素② オフグリッドソーラー》
オフグリッドソーラーは、ネクストエナジー・アンド・リソース社のソーラーカーポートDulightとオフグリッドシステムにより構成されます。ソーラーカーポートは、雨や日よけの役割を担う屋根が太陽電池モジュールとなっていることで、施設内で必要な電気を生み出しながら、駐車場もしくは車中泊サイトとして土地を有効利用することができます。また、オフグリッドシステムには大容量の蓄電池が含まれており、太陽光によって発電した電気を充電することで、夜間や雨の日でも電力系統に頼ることなく電気を利用することが可能となっています。
《主要構成要素③ 小型淡水化装置》
生活排水については、ワイズグローバルビジョン社の小型淡水化装置「MYZシリーズ」により浄化し、施設内で循環利用します。MYZシリーズでは、従来大型だった海水淡水化装置を小型化することに成功、海水からでも真水を造ることが可能です。また、脱塩、塩分除去だけではなく、濁水なども濾過(ろ過)し、厚生労働省が定める水道法の基準値をクリアするレベルの真水に変えることが出来る造水機です。
3. リビングラボプロジェクトパートナー募集ピッチイベント開催報告
2021年12月17日に、CIC Tokyo(東京都港区虎ノ門 1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階)にてリビングラボプロジェクトパートナー募集ピッチイベントを開催し、現地とオンラインを合わせて100名以上にご参加いただきました。
当日は冒頭、U3I竹内純子並びにLIFULL小池克典より、オープニングリマークスとしてそれぞれが考える本プロジェクトの意義や会社の取り組み、本実証を通して実現したい世界についてお話しいたしました。
続いてプロジェクトリーダーのU3I川島壮史より、本プロジェクトの概要をご紹介しました。また、LAC八ヶ岳プロデューサーである渡鳥ジョニーからは、LAC八ヶ岳としてのオフグリッド実現に向けた取り組みや、今回の実証施設の活用についてお話ししました。
そしてイベント後半は、エネルギーや水、トイレ、建築素材、廃棄物処理などの多岐にわたる技術・製品を持つパートナー候補10社が登壇し、ピッチを行いました。
「空気から飲料水を生み出す究極のECOウォーターサーバー『OISHII AIR』」(https://oishii-air.com/)
滝本 理司氏 / 株式会社デンケン 新規事業推進室 室長
「宇宙エコロジー計画:“4つの無”を軸としたインフライノベーション project 01:完全自己完結型モバイルバイオシェルターの開発」(https://www.chodai.co.jp/)
中渓 宏一氏 / 株式会社長大 海外事業本部 グローバル事業推進部
「2009年スタート!オフグリッドソーラー Online Shop」(https://www.nextenergy.jp/business/off-grid)
藤村 清隆氏 / ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社 マーケティング統括部長付部長
「自然エネルギーによる自律型カーボンフリーエネルギー生産活用技術」(https://poctech.co.jp/)
青澤 さおり氏 / PoC TECH株式会社 代表取締役
「世界最小クラスの海水淡水化装置でsmart water gridを構築する企業」 (https://ysgv.jp/)
柳瀬 善史氏 / ワイズグローバルビジョン株式会社 代表取締役社長
「オンサイト木質エネルギーとバイオ炭による炭素貯留」(https://forestenergy.jp/)
沼 真吾氏 / フォレストエナジー株式会社 代表取締役社長
「ゼロエネルギーで冷える新素材、SPACECOOL」 (https://spacecool.jp/)
夘瀧 高久/SPACECOOL株式会社アライアンス本部長、大阪ガス株式会社企画部事業創造チーム
「地球上のどこでも誰でも数時間で建てられて酷暑でも極寒でも快適な未来型住宅 インスタントハウス」(https://instantproducts.lifull.net/house/)
北川 啓介氏 / 名古屋工業大学 大学院工学研究科 建築・デザイン分野 教授
「水、インフラ不要のバイオトイレ – 特別なおがくずや菌が不要 」(https://www.acbiode.com/)
久保 直嗣 氏 / AC Biode株式会社 共同創業者兼代表取締役社長
「どこにでもある未利用の資源からカーボンニュートラルで自立分散型のエネルギーを生成するISOPシステム」 (https://sustainable-energy.co.jp/)
光山 昌浩氏 / サステイナブルエネルギー開発株式会社 代表取締役社長CEO
なお、ピッチ後のネットワーキングでは、本プロジェクトに関心を持ちご参加いただいた多くのインフラ系などの大手企業と登壇者、また登壇者同士でも活発な意見交換が行われ、本プロジェクト内外での今後の連携についても期待が持てる場となりました。
4. 今後の予定
2022年3月1日より「オフグリッド・リビングラボ八ヶ岳」にて実生活に基づく実証実験を開始いたします。実証実験はその後も継続しながら、得られた結果に基づく商用トライアルでさらに知見を蓄積した上で、2023年上期をめどにサービス提供を開始する予定です。
2022年3月1日 第1期実証開始
2022年6月 第1期実証結果報告および第2期実証アナウンス
2022年10月 オフグリッドサービス商用トライアルアナウンス
2022年12月 オフグリッドパートナーカンファレンス(年次イベント)開催
2023年上期 オフグリッドサービス提供開始
5. お問い合わせ先
本プロジェクトでは引き続き、自律分散型インフラ技術を持つテクノロジーパートナー、実証結果の商用化を目指すインフラ系などの大手企業パートナー、またオフグリッドサービスの活用意向を持つレジャーなどの事業者ならびに自治体などを募集しております。本件についてご関心やご質問などがありましたら、以下にお問い合わせください。
U3イノベーションズ合同会社 担当:川島
Web:https://u3i.jp/contact/ メール:takeshi.kawashima@u3i.jp
■U3イノベーションズ合同会社について(URL:https://u3i.jp)
U3イノベーションズは、エネルギーを中心とする社会システム領域に特化して、スタートアップと共にイノベーション推進と新たな産業創出を目指す実践者集団です。私たちが実現したい新しい社会システム(Utility3.0)の担い手になると期待されるスタートアップに対する投資やCxOの派遣、環境エネルギーイノベーションコミュニティを通じたスタートアップ・大企業・アカデミアによるイノベーション創出、自社を中心としステークホルダーを巻き込んでの事業開発など、さまざまな手段を通じ、実践者として「一人ひとりが多様な価値を実現できる、持続可能な世界。」の実現に挑戦しています。
多様な価値観を包含する持続可能な未来を実現するため、エネルギー供給を超えた新しい社会システムであるUtility3.0というコンセプトを初めて世に示した、2017年出版の「2050年のエネルギー産業 Utility3.0へのゲームチェンジ」。この書籍の共著者である竹内純子、伊藤剛の2人により、U3イノベーションズは2018年に創設されました。
■株式会社LIFULLについて (東証第一部:2120、URL:https://LIFULL.com/)
LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。
現在はグループとして世界63ヶ国でサービスを提供しており、主要サービスである不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」をはじめ、空き家の再生を軸とした「LIFULL地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。
■LivingAnywhere Commonsについて
LIFULLが地方創生推進事業として運営するLivingAnywhere Commonsは場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)をともに実践することを目的としたコミュニティです。
メンバーになることで、日本各地に設置したLivingAnywhere Commonsの施設拠点の共有者となり、仲間たちと共生しながら、自宅やオフィスにしばられないオフグリッド生活を体感、理想のLivingAnywhereを実現するための技術やアイデアを共創していく、刺激に満ちた環境に身を置くことができます。
Webサイト https://livinganywherecommons.com
<拠点一覧>
岩手県・遠野 / 岩手県・花巻 / 宮城県・石巻 / 石川県・能登珠洲・金沢 / 福島県・会津磐梯 / 茨城県・つくば・ひたちなか / 群馬県・みなかみ / 千葉県・館山 / 神奈川県・横浜日ノ出町 /東京都・高尾・浅草 / 山梨県・八ヶ岳北杜・富士吉田 / 長野県・信州乗鞍 / 静岡県・伊豆下田・熱海 / 和歌山県・和歌山・那智勝浦 / 岡山県・津山・真庭 / 香川県・三豊 / 徳島県・美馬・三好 / 福岡県・田川・唐泊・八女 / 鹿児島県・屋久島 / 宮崎県・青島・小林 / 沖縄県・うるま /
■株式会社LIFULL ArchiTech について
名古屋工業大学大学院工学研究科 北川啓介教授とLIFULLが建築技術開発を目的として設立。
『「建てる」をもっと簡単に、「住む」をもっと自由に。』というメッセージを掲げ、世界中のあらゆる人々が安心で快適な住環境を気軽に叶えられるよう、これまでにない斬新な建築手法での住環境を提供しています。
Webサイト https://lifull.com/company/group/lifull-architech/