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U3イノベーションズが考える“イノベーション”とは

創業してまだ半年足らず。社名の由来を聞いていただくことも多くあります。実は当初は「Utility3.0」という社名にしようと考えていました。創業のきっかけとなった「2050年のエネルギー産業 Utility3.0へのゲームチェンジ」をそのまま名付け親(?)にしようと思ったのです。ただ、Utility3.0では一般名詞のようでもあり、我々が実現を目指すUtility3.0の世界を“U3”と表現することにしました。そこに“イノベーションズ”を付けた理由、そこに込めた思いをお伝えしたいと思います。

気候変動問題や人口減少・過疎化など、我々が直面する課題を解決するカギはイノベーションにある、とよく言われます。2020年以降の世界の温暖化対策の枠組みを定めたパリ協定が掲げる長期目標(①産業革命前からの温度上昇を2℃未満に抑制すること。なお1.5℃以内への抑制も希求すること、②今世紀後半には人為的な温室効果ガス排出と森林等による吸収を均衡させ、ネット排出ゼロとすること)達成のためには、今の延長ではない、革新的な技術開発が必要であることは、パリ協定にも書いてあるのです。

例えば、第10条5項では「イノベーションを加速し、奨励し、及び可能にすることは、気候変動に対する効果的及び長期的な世界全体による対応並びに経済成長及び持続可能な開発の促進のために不可欠である」とも言及されています。パリ協定が策定されたCOP21の期間中に、クリーン・エネルギー分野の研究開発についての官民投資拡大を促す国際イニシアティブ「ミッション・イノベーション」が設立された背景はここにあるのです。 (この辺のマニアックな情報は「パリ協定『長期戦略』とはー成長戦略としての長期戦略を考える」(国際環境経済研究所掲載 竹内純子)をご参照ください)

ただ、イノベーションというと「これまで無かった革新的な技術」と捉えられがちですが、今ある技術を圧倒的に安くすること、便利に、快適に、楽しくすることも立派なイノベーションです。

これから日本のエネルギーの主力となることが期待されている再生可能エネルギーは、全量買取制度のおかげで急速に拡大していますが、「査定なき総括原価主義」ともいえる高い買取価格が保証されていたために、コストを下げるという地道なイノベーションが十分に進まなかったと私たちは考えています。

再生可能エネルギーや蓄電技術など分散型技術に関する商流を徹底的に見直すこと、それらを活用した新たなサービスを考え出すこと、異業種間あるいは大企業とベンチャーのコラボレーションを進めること。究極的には、日本でエネルギー政策を議論することが「楽しい」と思える環境を作ること。

多くの「当たり前」を徹底的に見直し、一つでも多くのイノベーションを生み出したいと思っています。「イノベーションズ」と複数形にしたのですから。