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Japan Energy Challenge 2019 合言葉は“Make a deal”

8月5日から1週間、ロンドンで開催されたJapan Energy Challenge (以下、JEC) にU3イノベーションズの両名で参加してきました。

JECは、欧州や中東など海外のスタートアップと日本企業のマッチングの場で、本年で2回目の開催です。日本からはエネルギー関連企業を中心に9社、スタートアップは欧州や中東、豪州などから19社が参加、主催されたsmap energy のスタッフの方たちも加えると総勢約150名が一堂に集うという一大イベントです。

一般的に、協業先を探して海外企業にアプローチすること、あるいはそれをサポートするマッチングイベントのような取り組みはこれまでも数多く行われてきました。

事業を営んできた市場環境も、規模も、社員や顧客のマインドも、何もかも違う企業間の協業を成就させることはとても難しいものです。セオリーとして考えればうまくいくはずだったのに残念な結果に終わった協業はそれこそ星の数ほどあります。特にエネルギー産業においては、市場の制度設計が異なるため、海外で成功しているビジネスモデルを日本に持ってきても、成功するとは全く限りません。

実際、海外のスタートアップを視察して勉強する日本企業は山ほどいますが、海外のスタートアップと協業して新しい顧客価値を生み出したケースはそれほど多くありません。「ありがとうございます、勉強になりました」と言って会議を終える日本企業の姿勢を批判的に見る海外企業に出会うことも稀ではありません。

そのためJECの合言葉は“Make a deal”。プログラムを運営するsmap energyも参加するスポンサー企業の多くも2回目となる今年は、いよいよ実績が求められます。今年は昨年以上に、“Make a deal”、この合言葉を耳にしました。「ネクストステップに進むには、まず何をクリアすべきか」、「マイルストーンは何か」という会話がスポンサー企業とスタートアップスタートアップの間で飛び交う、実践的なアクセラレータープログラムでした。

何かを引き起こすために必要なのは周到な準備です。JEC2019に向けた準備は2018年10月にはすでに始まっていました。まずスポンサーとして参加される日本の企業の皆さんの関心に沿うスタートアップの参加を得るために、10月から約2か月をかけて協議が行われ、20の技術分野が特定されました。それぞれの分野で広くスタートアップをリストアップしたところ約200社にも膨らんでしまいましたが、そこから、各スタートアップが持つ技術の特徴や日本市場で展開した場合の強みなどを分析し、日本側のスポンサー企業の関心度合いによって、最終的に今回参加した19社に絞り込まれたわけです。U3イノベーションズではその選定と評価のお手伝いをさせていただいたわけですが、欧州のエネルギー関係のスタートアップの多さを実感するとともに、欧州と日本の市場制度の違いや日本の制度設計の遅れもそうしたスタートアップが少ないことの原因の一つにあるのだろうと思いました。

こうして1年弱かけて選りすぐられたスタートアップは、晴れてJEC2019年に招待されるわけですが、基本的にはCEOが自ら参加することを要請されます。日本側のスポンサー企業も本気で参加するので、それに応えられる最高意思決定責任者が来てほしいというわけです。

この1週間、全体でのミーティングと、関心のあるスタートアップとの1on1のミーティングを繰り返し、最後に日本企業の方から自社との協業の可能性や関心度合いに基づくアンケートを提出。評価の高いスタートアップを表彰するアワードのイベントで全体行事の幕を閉じました。

1 on 1 meetingの一コマ。密度の濃い議論が続く
日本企業からの関心の高かったスタートアップを表彰するクロージング・イベント

とは言え、make a deal のためにはここからがむしろ本番かもしれません。個社でスタートアップとの協業を進めるケースもあるでしょうし、複数社でプラットフォームを構築するパターンも考えられるでしょう。10月下旬には今回表彰された4社のスタートアップの来日が予定されているとのこと。JEC2019からいくつの協業が生まれるか、今後の数か月が楽しみです。

振り返れば、去年行われた第1回の時には、まだU3イノベーションズは創業前でした。共同創業者の2人が、それぞれ違う会社の外部アドバイザーとして参加して、海外のスタートアップとの協業によって日本市場がどのように活性化する可能性があるかを考えたり、具体的な協業につなげることの難しさを実感する機会をいただきました。そして、このJEC2018に参加したことが、私たちの事業内容を決める上で大きなヒントになったのです。

日本のエネルギー産業に関わる人を増やし、そのエコシステムを豊かにしたいというのが私たちの創業の思いでした。そのために海外のスタートアップとの協業を増やすというのも一つでしょう。JECがその課題にチャレンジする場なのであれば、私たちは日本のスタートアップが日本の大手エネルギー企業と協業したり、業種をまたいだコラボレーションを創出するお手伝いをしようと決めたのです。

日本にも、数は少ないかもしれませんが、日本のエネルギー事業に使命感を持って取り組んでいるスタートアップの方たちがいます。そうした方たちをつないだり、その事業戦略を一緒に描くというサポートにも、ニーズがあるのではないか、それを私たちの事業の柱にしよう。

そう決めた私たちは、JEC2018の約3か月後の2018年10月1日に起業するに至りました。

もうすぐ私たちの1年目が終わろうしています。このタイミングでこのJECに再び参加し、創業1年の振り返りと今後のビジョン策定に向けた議論ができたことは、とても良い区切りになりました。

JEC2019もアウトプットを出すためにこれかがむしろ本番だとすれば、私たちU3イノベーションズも2年目に入るこれから数か月間がまさに一つの正念場だと思っています。

ロンドンから帰り、また走り続けたいと思います。

皆さまご存知、ロンドン橋。